線香花火



だけど、そんなことは許されなかった。


その度に彼女は僕を連れ出したことを後悔して泣いていた。


「そんなことないよ、かなちゃんは悪くないよ」


いつもそういうと彼女は無理して笑った。


そんなこんなで僕がこの街に引っ越して数年がったとき。


気づいたら僕とかなちゃんは小学生になっていて、それからも相変わらず彼女は僕をいろんなところへと連れ出してくれた。


そのころには体調も落ち着くことが多くて、彼女も笑うことが多くなっていた。