八月の中旬


この日も照り付ける太陽と、生ぬるい風が吹いていたそんな夏だった。


雲ない空を僕は線香花火を数本片手に持ったまま見上げていた。


そんな僕の目の前にチラつく白いワンピースの女の子の姿。


「かなちゃん」


そう僕が呼ぶけれど、彼女は僕の方を見ようとはしない。


なんでだろと不思議に思ってまた彼女の名前を呼んでみた。


「かなちゃんってば」