あっけない。今までの気持ちが全部無駄になっちゃった。

もー、私バカだな。木下くんが他に好きな女の子がいるって、薄々気づいてたじゃん。


王子様だなんて。木下くんが王子様だったらお姫様は私じゃない。





私はお姫様になれない。





「でも、ありがとう。好きって言ってくれて嬉しかった。」


そうやって笑いかけないでよ。また勘違いしちゃいそうになるじゃん。


悲しそうに笑わないで。





「そっか。ごめんね。私こそ告白なんてしちゃって。驚いたよね。」


これ以上合わせる顔もなく、私は教室を飛び出した。