「へぇえ、見つけたらお金持ちになれるかな!」
「そうかもしれない!」
そんなわけは無いけど、それらしいこどもっぽい会話をしておく。
3人の一人、黄色いTシャツを着た銀髪の人が言う。
「でも、まぁ、大体探しつくされているよ」
「まあ、そうですよね」
ぼくは頷いて、その場から歩いた。
曲がり角で、白いワイシャツを着たあの男の人と会った。
「こんにちは」
声をかけてみるが、あ? と言ったっきり、返事をしてくれなくなった。
まあ、いいのだけど。
何か探しているようだ。ここは1階で、ホールを抜けてきたところ。
女の人も男の人も、もしかして財宝を探しているのかな。
っていやいや、そんなわけないか。
「信じて、欲しかったな……」
胸が、きりきりと痛んでいる。
ぼくは、瑠茄先生みたいに、強くなれない。
昔のことを思い出す。憂鬱だ。
再び歩いた。なんだか、最近よく眠れない。
自分の一言一言が歪んでいくみたいな錯覚に、どんどん嫌になってくる。



