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「ここのどっかの部屋に、あったよ、ビリヤードとか、いろいろ」
「へぇ。ディナーショーはいいのか」
「どうなってた、そっち」
「今、休憩中。10分間のお色直し」
「なるほど。ところで、3ってなんだと思う」
ぼくは、先ほど出会った怪しい二人組みの話をした。
「メンバーのことじゃないか?」
ナツは言った。
「なんのだ」
「なんかの団員なんだよ、そいつら」
まぁ、怪しい組織っぽい感じはしてたけど。
「背番号3、みたいな?」
「ああ。そうそう、そんなの」
「うーん」
どうもしっくり来ない。
「居ない、っていうか、見当たらないっていうか……そういう言い方ではなかったんだ。どこか、こう、人間に対する感じじゃなかった」
「じゃっ、お手上げだな」
「そうですか」
なんて話をしながら、赤いカーペットの敷かれている上を歩く。
これはどうもトイレやバスルームの間にある方角の床にだけ、敷かれているらしい。
また、ディナーショーの行われているホールの方へ歩いていきながら、またタイルの床になる地面を眺める。
クロスロード。
斜めの赤い十字架だ。
折り紙で作るパクパクと動かすくちばしみたいなやつ(名前を知らない)とか、お花みたいにも見える。
「床をじっと見てどうしたんだ?」
ナツが横から聞いてきたので、ぼくは何か、言おうとした。
けど、言えなかった。