「……ん……」


 閉じていた視界が。
 少しずつ広がっていく。


「…………」


 まだ意識がぼーっとしている。


「……あ……」


 そうだ。
 私……。


「……ここは……」


 空澄(あすみ)の家の客室……。


「……眠……ってた……」


 学校外で初めて話をする。

 その同級生の男子の家の客室を貸してもらい。
 その部屋で、どうやら熟睡していた、みたいで。


 よほど睡眠不足からの疲労が溜まっていたのだと思った。

 だけど、すぐにそれだけではないと思った。

 この部屋の心地良さ。
 それも私の睡眠の質を上げてくれたのだと思った。