あるところに、それはそれは可愛い女の子がおりました。

彼女は疑いを知らない純粋無垢な優しい心の持ち主です。

周りの人々はみんな、可愛らしい彼女にあたたかい大きな愛を(そそ)いでくれます。

可愛らしい彼女の名はリーティア。


チェシャ猫「今度のアリスはあの女の子にしよう」

三月うさぎ「とっても愛らしい女の子だね」


チェシャ猫「さぁ、三月うさぎ。時間を止めておくれ」

三月うさぎ「あいおっ! 」

そう言うと、三月うさぎはタキシードの胸ポケットから格好良く懐中時計を取り出し赤いボタンを押しました。

すると、どうでしょう。
世界の時間はピタリと止まり、何もかもの動きが止まりました。


チェシャ猫「さて、アリスを目覚めさせよう」

三月うさぎ「あいおっ!」

そう言って今度はリーティアの前で懐中時計の黄色いボタンを押しました。


これで、リーティアだけ動けるようになったではありませんか。

チェシャ猫「さぁ、アリス。吾輩たちと一緒に不思議の国へ行こう! 」


リーティア「アリス? 」
リーティア「私の名前はリーティアよ」

チェシャ猫「君はアリスに選ばれたから、アリスだよ」

リーティア「アリス? 」
チェシャ猫「そう。君はアリスだよ」



チェシャ猫は三月うさぎの頭の毛をむしり取りました。

三月うさぎ「痛っ! 何するんだおっ」



チェシャ猫「フーっ」

チェシャ猫が引き抜いた毛に息をかけると青い宝石が先についた魔法の杖になりました。


チェシャ猫「アリス、魔法の杖だよ。君のものだよ」
そう言って、チェシャ猫は魔法の杖をアリスに渡しました。


チェシャ猫「イメージして言葉をかけながら魔法の杖を振ると、魔法が使えるよ」

三月うさぎ「にんじん! にんじん! 魔法でにんじん出しておくれ! 」

アリス「にんじんね。にんじん、出てきて!


アリスが魔法の杖を振ると、美味しそうな立派な にんじんが 3本出てきました。

三月うさぎ「わぁーい♬.*゚3本も出してくれた! 全部僕のモノだよ! 」

アリス「はいはい、どうぞ」
アリスは優しく ニコッと笑いました。

チェシャ猫「じゃあ、吾輩たちと一緒に不思議の国へ出発するよ」