「すいません!!!」

「……何で俺に謝るんだ?」

本己(ほんみ)先輩……。
私を教える事…嫌ですよね?」



私は高校に入ると吹奏楽部に入部。

トランペットをやっているんですが下手で、今みたいに昼休みになると本己先輩からトランペットを教えてもらっている。



「嫌じゃないけど…」

「嫌そうな顔してます」

「……俺が…眉間にシワを寄せてるからか?」

「はい」



寄せてますよね?



「それは…俺が考え事をしている時の癖だ。
嫌だからじゃない」



……本当に?



「本当だぞ。
俺が本当に教えるのが嫌だったら今ここにも、小知伊(おちい)の前にも居ない」

「…昼休みですよ?
私と居ても楽しくない」

「俺は小知伊と居て楽しいぞ。
小知伊が上手くなるように考えて、少しずつだけど上手くなっていく過程が見れるからな。
でも小知伊は楽しくないか」

「楽しいです!!!
大変でもありますけど…。本己先輩には感謝してます。熱心に教えてくれて…」

「小知伊だから教えるんだ。一番下手で、一生懸命だから。
ずっと教えていたくなる」