私がささっと小説を台本用に書き上げて、ついに練習が始まった。
と言っても私は脚本家だから見守って細かな動きをチェックするだけだけどね。
「姫、一緒にダンスを踊っていただけませんか?」
「わ、私でよければ…お願いします」←そうたくん
王子様役の女の子、かっこいいな。
そうたくん…照れちゃって可愛い~!
早速パンダ先輩たちに知らせないとっ。
練習中に矢崎まなとをマークしつつ、こうしてそうたくんの面白いところを先輩たちに知らせるために観察している。
今のところ怪しい動きをしてはいないけど…何かされたら大変だ。
「シンデレラ、あの時の女じゃないわよね?」
矢崎まなと…さすがモテているだけあって演技が上手。
って、褒めているわけじゃないから。
ただ、よく観察しているだけ。
みんなで分担して、一週間後のパーティーには間に合いそう。
私も、脚本家になったからには頑張らないと。
  ~☆~☆~☆~☆~☆~
パーティー前日
「パンダ先輩、動画撮影順調ですか?」
珍しく図書室でパンダ先輩と2人きりになった。
「確か松下くん、面白い主人公の親友役だっけ」
司書さんも話に参戦してきた。
『親友役、かっこいいんだぞ。ヒロインの恋を応援する…』
「あーっ!動画、楽しみなのでないよう言わないでください」
パンダ先輩が普通にネタバレしようとしたので全力で止めた。
だって…ね、見たときに知りたいから。
『このみ、楽しみにしていろよ』
「はいっ!」
面白くてもふもふ~なパンダ先輩、必ず元の姿に戻すからね。
私が矢崎まなとから守る、接近される可能性の高いパーティーの日に。