「では、さようなら」
紫の塊を私のほうに投げてきた。
恐怖で足がすくんで、動けない。
矢崎…魔王が秘密を言ったのは、呪いをかけるからだったのか。
さようなら、みんな。
絶対にパンダ先輩をもとの姿に戻してね…。
もうダメ、そう思った時
「このみっ!」
そうたくんの声がして、紫の塊から庇ってくれた。
つまり―そうたくんの記憶がなくなってしまったということだ。
どうして…。
「魔王、私が倒すから、覚悟してろ」
魔王はいなくなった。
そうたくん…、今は気を失っている。
あのまま私の記憶がなくなっていればよかったのに…後悔してしまう。
こうなったからには、私が責任をもってそうたくんの記憶を取り戻してパンダ先輩をもとに戻す。
それまでは図書室には行かない、みんなに申しわけないから。
私、羽田このみは心にきつく決意した。