「………お前ね、いい加減泣き止みなさいよ」


「うっ、ぐずっ…、だ、だってえぇぇっ…っ、」



あれから2日、わたしは自室で泣き暮らしていた。


もう泣き過ぎて顔面崩壊してるし、何だったら喉も頭も目元も痛い。それでも涙が止まらなくて嗚咽が出るんだからもう自分ではどうしようもない領域だと思うの。


あの後何があったのか聞かれて、できる説明はした。簡潔に、わたしが実力行使で貴族令息をぶちのめし、あろうことかその姿を愛しい人に見られたのだと。


それを聞いた瞬間に両親は膝から崩れ落ちたし、お兄様は「あー…とうとうバレたか」と悟りきった目をしていた。ひどい……バレたかってなんですか。確かに言わなかったけれど、あんな事がなければわたしだって大人しい普通の貴族令嬢でいられた筈なのに。



「、ぅえぇぇん…っ、グラナティスさまぁ……、」



好きの一言も貰えていないのに……その前に嫌われるなんていやだよぉ…っ。