「何故!?!?!」


「そりゃあお前の粘着質な本性が怖いんじゃねぇの」


「無駄なことばかり喋るお兄様の口はもう存在しなくてもいいと思うのですがいかがですか」


「声低っ」



髪の中に手を突っ込んでぐしゃぐしゃにしてから頭を抱え込んでテーブルにカチつけたい衝動に駆られるけどそうすると髪型が崩れてしまうのでとりあえず突っ伏すだけにする。ゴチン、と音がなったけど気にしない。痛くないもの。


わたしが運命と出会ってから早3年。わたしももう16歳になり、早い人だと婚姻もしている年だ。わたしももれなくそうなっている筈だと思っていたのに。のに!



「わたしの何がいけないんですの……?」


「だからそのしっっっつこいとこだろ」


「……実力行使をお望みですのね。そのツラこっちに向けてくださる?」


「ちょ、っおいやめろ!!」



これでもかと拳を魔力で強化したのにお兄様ったら逃げ足だけは早いんだから……次会ったらただじゃ済まさない。か弱い妹の心を傷つけた報いを受けさせてやる。


八つ当たりも含んでいるけれど、半分本気で落ち込んでいるのも事実。目から涙が落ちそうなぐらいには気落ちしている。