仁王立ちで、ガハハ~と
豪快に笑いだした総魔。
「わかったか、このガキ!」と
俺の髪をワシャワシャ
かき乱し始めた。
いつもの俺なら
「髪を触らないで!」と
半ギレするところ。
だけど俺の口から漏れたのは
自分自身でもビックリするほどの
穏やか声。
「総魔……ありがとう……」
言った後にグググと
こみあげてきた、恥ずかしさ。
真っ赤になっているであろう頬を
総魔に見られたくなくて
俺は自分の顔を、クッションで隠した。
この後の俺は
覚悟を決め、野球場に向かった。
ちゃんと伝えたかったから。
大好きな子に。
俺の一途で、極甘な恋心を。