この後、私は

お姉ちゃんに電話をかけた。


聖羅くんに見張られてる状態。

ウソをつくしかなかった。


「聖羅くんと一緒にいたいから
 二人でしばらく
 旅行にいってくるね」って。



もちろんお姉ちゃんは

電話越しで驚いていたよ。


私の耳が痛くなるほど

「ギャァァァァァ!」って

奇声を発してたし。



「何言ってんの? 正気?
 あんな男、信じちゃダメでしょ!」



お姉ちゃんの心配声は

止まらなかったから



「狂くんのこと、よろしくね」



私はそれだけ言って

電話を切っちゃった。






お姉ちゃん、心配をかけてごめんね。



私が絶対に、狂くんを守るからね。



たとえ私が、聖羅くんの

いけにえになったとしても。