「失礼します」
「あ、山口くん。また授業サボって練習に来たの?」
「はい、すみません」
「本当に熱心なのね。そうだ、先生これから急用が入って、保健室を出ないといけないのよ。それで、今休んでる青木さんのこと見ててほしいの。お願いしてもいいかな?」
「はい、いつもお世話になっているので」
「じゃあ、よろしくね。少し頭痛がするみたいなんだけど、熱はさっきは無かった。もし、起きたら念のため熱を測ってと言ってね」
「分かりました」
「ごめんね。よろしく」
有野先生はそう言って保健室を出て行った。
青木さん。
人違いかもしれないと思い、少しカーテンから覗くと、俺の知っている青木さんだった。
俺が少し気になっている人。
俺が一方的に知っているだけで、彼女とは話したことはない。
彼女を知ったのは、今年の四月だった。同じ電車になったときに、おばあさんに席を譲っていた。それから彼女のことを気にするようになった。同じ時間の電車に乗ることが多く、そのたびに彼女を観察していると、彼女はよく席を譲っていた。心優しい
子なんだなと思った。なぜか、彼女のことを目で追うようになった。
彼女を電車で見るたびに、嬉しくなった。
そんな彼女が目の前で寝ているという事実にドキドキが止まらない。
このドキドキを収まらせようと、マネキンの髪を切り始めた。
「あ、山口くん。また授業サボって練習に来たの?」
「はい、すみません」
「本当に熱心なのね。そうだ、先生これから急用が入って、保健室を出ないといけないのよ。それで、今休んでる青木さんのこと見ててほしいの。お願いしてもいいかな?」
「はい、いつもお世話になっているので」
「じゃあ、よろしくね。少し頭痛がするみたいなんだけど、熱はさっきは無かった。もし、起きたら念のため熱を測ってと言ってね」
「分かりました」
「ごめんね。よろしく」
有野先生はそう言って保健室を出て行った。
青木さん。
人違いかもしれないと思い、少しカーテンから覗くと、俺の知っている青木さんだった。
俺が少し気になっている人。
俺が一方的に知っているだけで、彼女とは話したことはない。
彼女を知ったのは、今年の四月だった。同じ電車になったときに、おばあさんに席を譲っていた。それから彼女のことを気にするようになった。同じ時間の電車に乗ることが多く、そのたびに彼女を観察していると、彼女はよく席を譲っていた。心優しい
子なんだなと思った。なぜか、彼女のことを目で追うようになった。
彼女を電車で見るたびに、嬉しくなった。
そんな彼女が目の前で寝ているという事実にドキドキが止まらない。
このドキドキを収まらせようと、マネキンの髪を切り始めた。
