何ら変わりないいつもの風景だ。

しばらくして母の自慢の手料理を次々運ばれてきて、テーブルの上が一気に賑やかになった。

彩り豊かな食卓からはみ出しそうなほどボリューム満点の食事。

それに箸を伸ばしつつ談話し、あらかた食事を終えた頃、父が改まったように姿勢を正した。

「隼人くん、忙しいのにわざわざ顔を出してくれてありがとう」

「いえ、卒業式と結婚式でバタバタしていたのもありなかなか伺えなくて、むしろ申し訳ありませんでした」

落ち着いた態度で謙遜する隼人さんに、両親が慌てたように頭を振る。