冷静な声に、お酒で増長されていた感情と、ブレていた意識がゆっくりと落ち着きを取り戻してゆく。
ほんとだ。華やかになっているネクタイとシャツが、私の涙を吸い込んでいる。
部屋を取ったと話していた言うのは……着替えのため…?
でも、まだ気になることがある。
「なら会社とは違って、とても親しげだったのはどうしてですか……?」
「……聞いてたのか?」
急に隼人さんの声のトーンが変わって尻込みしそうになるけれど、ここまできたらもう引き下がれない。
「聞こえてしまいました。だから元フィアンセっていう噂は本当で、まだ関係が続いているのかと――」



