「へーい! ナンシー! ミナ! 久しぶり! ってかミナがくるのはじめてじゃないか?」 「たしか、今年結婚したのよね? おめでとう! 色々聞かせてよ」 「久しぶり、みんなありがとう」 塞ぎそうになる心を叱咤して、ハグを交わし笑顔でグラスを飲み交わす。もうすでに程よく酔った旧友たちは気さくに出迎えてくれた。 勧められたカクテルや食事を、さっきの光景を掻き消すように口にしていく。 でもその笑顔のうらでは、さっきの光景が瞼の裏にこびりついて、心がついていかない。砂を水で流し込んでいる気分だ。