『恋人だったんですか?』 いや。聞けるわけがない。ふたりの関係を知ったところで、私たちにプラスになるものはなにもない。 「ふたりがとても……お似合いに見えて――」 「は……?」 考えた末、限りなく本音に近い言葉をぶつけると、隼人さんの端正な顔が一気に不機嫌そうに歪む。 でも今の私には、もうそんなの目に入らなかった。 「隼人さんみたいないつも余裕のある大人の男の人には……、私みたいな年下じゃつり合わな―――わっ」 ソファが軋んで、隼人さんが立ち上がると同時に私の身体も浮上する。