目を通しながらエレベーターで最上階に登っていると、スマホが1通の新しいメッセージを受信し確認した。 「あっ、ナンシーだ」 私は義務教育の間同じ敷地内の校舎に通う、いわゆる私立の一貫校に通っていた。ナンシーは、そのほとんどを同じ教室で過ごしたクラスメイト。 メッセージの内容は、クラスパーティー――日本で言う同窓会のお誘いだった。 日時は一週間後。私の誕生日の二日前の夜6時から。 場所は会社からそれほど離れていないターミナル駅付近のおしゃれな完全会員制のバー。