『バイトは……?』
『今月いっぱいです。なので、あと何回かしか会えないんですが……最後まで仲良くしてくれたら嬉し……』
『――いやだ』
だけど、ここ数日、ずっと心で何度も唱えていた言葉を伝えようとしたら、今までにない強い口調で拒まれてしまった。
胸がナイフで貫かれたように傷ませながら、『えっ……』といつもの彼のブレンドコーヒーを淹れる手を止めて顔をあげると……
そこには私よりも悲しそうに顔を歪ませた隼人さんがいた。
『……君に会えなくなるなんて、考えられない』
『隼人さん……』
『本当は大学を出るまで伝えるつもりはなかったんだが……いつも笑顔で俺の話しを聞いてくれる君が好きだ。俺と結婚を前提に付き合ってほしい――』
想像もしていなかった言葉に耳を疑った。



