『彼女が大学を卒業して、香田のご両親を安心させるまで、俺は彼女に手を出さない』 それがすべてのはじまりだったようだ。 「――とはいえ……結婚は新生活になったら君が他の若い男に取られるような気がして、急いでしまった……。 だから、もう一つくらいはきちんと守りたいと思った――」 ようやくすべての話がひとつに繋がると同時に、足元から言いようのない熱い気持ちが駆け上がってくる。 ――そんなこと……考えてくれていたんだ。