女の子と男の子の恋じゃなく、男の子と男の子の恋に興味がある、それが腐女子。

「だって、そっちの方が面白くない?」

そういうけれど。

「たぶん普通の子たちは、ガチで恋してるんだと思うよ、私は」

真央はそう言って首を振った。

でも、と私は続ける。

「あの人たち、結構遊んでるし。そんな人たちよく好きになれるよな、とは思うけど」


「だからいいんじゃない?アイドルに憧れる感じだよ」

「ふーん、私にはよく分かんないなあ。でもどうせ、関わることもないし、どうでもいいけど。」

先程までしんと静かだった教室は、いつの間にかクラスメイトのお喋りで満ちている。そろそろ始業だ。

そのときの私は知らなかった。「災い」とは、予測できないからこそ「災い」なのだと。