勘違いしてたよ、陵


外でぼんやしていると、聞き慣れた声がした。


「楓?どうしたの?顔色が悪い。」


「こないで!」


そう言って陵を突き飛ばした。


「今まで名字で呼んでたのに!香が名前で呼び始めた!そういうことだったんだね!どうぞお幸せに!!」


呆気に取られたような陵の顔。図星だったんだ。よかったね香。ずっと見てたもんね中学校の時から。


願いが叶ったんだ。なのになんで私はこんなに悲しいんだろう。


「…違うよ!」


「じゃあどういう関係?」


「神楽とはただの友達。楓とは…」