会場について、もっと驚いた。 香がいたのだ。 「香?!なんでいるの?!」 「だって、陵が誘ってきたんだもん、『一緒に行かない?』って」 なぁんだ、誘ったのは私だけじゃないんだ。 私だけが特別ってわけじゃないよね。 チクッと何かが刺さったような痛みがあった。 でも、きっと気のせいだと意識しないようにして、綺麗に拭かれている観客席に座った。