馬鹿は死んでも治らない?知ってるわ!!




そのまましばらくするとよろよろした感じで歩いてきたのは1人の男性だった。うーん、どっちかというと青年か?わたしとそんなに変わらない歳な気がする。


頭の上から爪先まで黒い姿がこの光の差さない場所から出てきたのだから心臓に悪い。目元のところしか見えないんですけど。ホラー系とかは昔から苦手だったんだよなぁ……



「いや、マジで……こんなに笑ったの、生まれて初めてだわ…っ、」



ひぃひぃと未だに笑いの発作が収まらないようでぷるぷると震えてお腹を抱える姿になんて答えろと?というかこの人いつから聞いてたんだろう。



「し、しかも生粋のご令嬢が、金的とかっ……そんな下世話な言葉知ってんだね??」


「あら、社交界での女性の役割をご存じありませんの?」



うふふ、と王子妃教育で培った上品な笑みを浮かべて小首を傾げる。今更、という二文字が頭をよぎるけど黙殺しておこう。言葉遣いに関してももはや取り繕うのも意味がない気がするけどなんとなく令嬢言葉で返す。一応ね、一応。


あと金的は前世で知っていた言葉なので今世では知らなかったことを補足しておく。多分普通の貴族令嬢は知らないと思うけど言わねば分かるまい。