だって記憶をさらってみたけどわたしかなり常識的なことしか言ってないはずだよ。王子殿下の名前を呼ばない、婚約者のいる相手にはみだりに近づかない、異性との身体的な接触は過度にしない、招待状のない茶会には出席しない、高位貴族の方とのドレスの色など被らないように注意するなどなど。
貴族社会で生きる上で息をするようなことができていないのだからそら心配して苦言も言うわ。ちょっと厳しい言い方とかもあったかもしれないけど、これを疎かにするとすぐに高位の方の顰蹙をかってすぐに社交会から弾き出されるのだから、今のうちに直せるようにって思うのは悪いことなのか。
むしろ親心的な善意100パーセントの忠告だったのに難癖つけられたのだからもういいわって感じだわ。もうお前ら社交会に出てボロクソ言われても知らねぇむしろ言われろ。これなら平民から男爵家の養女になったっていう子の方がまだマシだ。あの子は少なくとも学ぶ意欲があったからね。
……なんかどんどん口が悪くなってる気がする。というか確実になってる。記憶を取り戻した直後はまだ「わたくし」の意識もあったけどどんどん「わたし」よりの性格になってるわ。
考えてみたら「わたくし」は貴族たるもの女性は嫁いで子を産み夫をたてろ、みたいなふるーい教育を受けてたんだもんね、そもそも考えること自体制限を受けてたようなものだ。
それに比べて「わたし」は男女平等、結婚は個人の自由であり男同士女同士もウェルカムおーけー、独身を楽しむ人も多かったというかなり緩い結婚観だったしなぁ。
それに詳しいところはわからないけどわたしはアラフォーだったからね!「わたくし」として生きてきた17年間よりも倍以上生きてきたんだからそっちに意識がいくのもおかしいことではないだろう。


