頭の上にピコーン、と電球が灯ると同時に目まぐるしく動く脳内。表現が古いという訴えは聞かない。こちとら中身はアラフォーなので年相応である。


自分のことを出来るだけ客観視してみてこれからわたしのする提案が通るかどうか考えてみる。現在王族の影にどんな人材がいるのかはわからないけど豊富と言うわけではないはず。というかこの手の人材は足りないことはあっても余ってることなんてないし。


勝算はかなりある、はず。


思わずにまー、と頬が緩んでしまう。なかなかどうして、これからの人生お先真っ暗かと思えばスリル満天の楽しい人生になるかもしれない。



「え、何。かなり不気味なんだけど」


「失礼ねぇ。ま、いいわ」



自分でも否定できない顔してたかもだけど、他人に言われるのは何か腹立つというやつだ。あるあるだよね。


さりげなくしなを作ってわざとらしくならないぐらいの角度で上目遣いをしながらニッコリと笑顔を浮かべる。挑発的に、自分の魅力を理解していてそれを相手にも解らせるように。


目の前の影としっかりと目が合っているのを感じる。前世を思い返す綺麗な黒い瞳が目を丸くするのを愉快な気持ちで見つめた。



「ね、根性があるのは勿論のこと、弁がたって貴族のあれこれにも通じている女の間諜……欲しくなぁい?」