「いや、これマジな話ね。アホがアホなだけあってあのアホ俺らの存在知らされてねぇからさ、こっちも下手に動けないのよ。存在バレるわけにもいかねぇし」
「ハァ?アホだろうがなんだろうがアレでも一応王族でしょ?なんでわたしが知っててあのアホが知らないのよ」
この際第二王子がアホで統一されていることは黙殺しておく。わたしとしてはクズでも脳タリンでもボンボンでもいいけどまぁ分かればいい。
「そりゃあアホはもう他の王族からしても期待されてないからさぁ。せめてその代わりにあんたをまともに教育してアホの手綱握らせようとしたんでしょ」
「うへぇ……政略結婚は理解してたけどわたしそんな面倒なことされそうになってたわけ?」
「うへぇって、…っ、やっぱあんた貴族令嬢じゃないでしょっ」
「お黙り」
あんたこそ影ならもっと忍びなさいよ。そんな笑い上戸な影がいてたまるか。
にしても今回のことがなかったら一生あのアホがやらかさないように見張っていないといけなかったんだと思うとゾッとするわ。そもそもがあんな馬鹿げたことが起こらなかったら今のわたしもいないだろうし、そのまま粛々と言われた通りやってたとは思うけど。
でも思い出してしまったのならもう前のわたしには戻れないし、戻ろうとも思わない。当然でしょ。だからといってこれからのわたしの展望についてはさっぱりだけど。
「他の王族ねー……いつ帰ってくるのかもうわかってるの?」
「とりあえずはアホがアホやらかした時点で報告はしてるよ。陛下達はそう簡単に隣国の予定変更できないし、帰ってくるなら第一王子だなぁ」


