コーヒー店のアールグレイ女史


朝になり、私は我に返った。
隣には西島がいて私をジッと見ていた。

「おはようございます。友莉子さん。」

「西島君・・・これで終わり・・・」

「えっ? 何で? 」

「だって、私たち15歳も違うのよ。それに仕事では今は上司と部下・・・」

「歳の差なんて関係ないです。世間にはもっと差のあるカップルがいます。それに、仕事は僕頑張ります。今回は受かっていると思うし、10年後にはもっともっとあなたの役に立つ。判事でなく弁護士で頑張りますから・・・事務所を一緒にやっていきたい。パートナーになりたい。公私ともに・・・」

西島は私の両腕を掴んで必死に懇願している。

「嬉しいけど・・・でも西島君は若いし、これからきっと可愛い人に出会えるよ。それで幸せになってよ・・・」

「イャです。僕は友莉子さんと一緒に居たい。友莉子さんと幸せになりたい。歳なんてまったく関係ないです。友莉子さん・・・」

「西島君、ホントに私でいいの? オバさんだよ。15歳も年上のオバさんだよ? 」

「友莉子さんがいいんです。僕は友莉子さんの側にずっといたい。友莉子さんじゃないとダメだ。・・・」

「西島君・・・」

西島は凄い力で私を抱き寄せた。

「友莉子さん、これからは僕のこと聡って呼んでください・・・」

聡は耳元でそう言ってから私を熱い目線で見詰め、キスをした。


「聡・・・これからずっと毎朝美味しいアールグレイティーを飲ませてくれる? 」

「はい。ずっとずっと・・・」



11月、聡は無事司法試験に合格した。

                                 End