コーヒー店のアールグレイ女史


夏休みが終わった。
西島は少し日焼けをして事務所に現れた。
日焼け以外はいつもと同じだった。
それでも私は西島と距離を取った。プレゼントも机の引き出しの奥にしまった。


夏休みの後、忙しかったので助かった。

そしてあっという間に10月7日になった。
今日も発表は16:00。6月と同じように、会議室でひとり西島が自分の受験番号を探している。

なかなか会議室から出てこなかった。私はじっと西島が会議室を出てくるのを待った。
今日は井上もいなく事務所には私だけ・・・

10分後、西島は硬い表情で出て来た。

「ダメでした。」

「そう・・・来年頑張りましょう! 」

「はい・・・」

西島はくいしばり涙をこらえていた。
私は西島の顔を見るのが辛かった。
多く語らず西島の背中を二回たたいた。
そして帰らせた。