コーヒー店のアールグレイ女史


デパートからの帰り道、陽が落ちかけてブルーとピンクが混ざり合った空が綺麗だった。

こんな空を見るのはいつ以来だろう・・・

ピンク色の夕焼けの翌日は雨だと聞いたことがあるけど、こんなに綺麗なら次の日が雨でも許されると思った。


私が気分よく歩いていると街角に西島を見かけた。
声をかけようと走り寄ろうとしたとき、女の子が西島に歩み寄るのが見えた。
西島は彼女に微笑みかけて手を上げた。私は立ちすくんだ。動けなかった。

私・・・何やっているんだろう。

西島君に彼女がいたって不思議ではないのに・・・
まだ22歳だもの。そうよ、まだ22歳・・・
何一人で浮かれていたのだろう。愚かな私・・・

言い聞かせても 言い聞かせても、私の心は揺れていた。


私の夏は終わった・・・