コーヒー店のアールグレイ女史


夏休みが近づいた。事務所は1週間の夏休みがある。


「西島君は夏休みどうするの? 」

「今までずっと勉強やバイトばかりだったので、この夏休みはゼミの友達と海に遊びに行きます。」

「そうね。学生最後の夏休みですものね。」

「はい。でも2日間だけです。僕以外、落ちているので・・・」

「そうか・・・、皆大変ね。」

西島はやっぱり若い。学生なんだと改めて思った。


ある日、私は都心のデパートに買い物に来た。

西島のペンケースが壊れかけているのを見たので、プレゼントしようと文具売場を目指した。
シャープペンシルとボールペン、そして万年筆、それにペンケース。セットで購入しようと、何点も見て、西島に似合って、使いやすいものを時間をかけて選んだ。
早く渡してあげたいけど、受かった時が良いのかな? 夏休み明けに渡しちゃおうかな? 
そんなことを悩むのが楽しかった。