コーヒー店のアールグレイ女史


私は一刻も早く西島に会いたかったのでお店まで小走りで向かった。

西島は先にお店に着いていて、あの笑顔で私を呼んだ。

「藤堂さん、こちらです。」

「お待たせ。」

「僕も今来たところです。」

「まずはお疲れ様の乾杯ね。」

「何にします? 」

「ビールかな。」

ジョッキがぶつかるいい音がした。

「先ずはお疲れ様。それで、手応えは? 」

「短答は手応えあります。」

「そう良かった。」

「藤堂さんは何回目で受かったのですか? 」

「3回目。3回目の時は辛くてね、もうこれで落ちたら諦めようと思った。甘いよね。もっともっと受けている人いるのに・・・」

「僕は早く受かって、早く一人前になりたいです。」

「そうね。でも勉強は裏切らないから・・・」