―「…またか」

「行くあてが無いんだ。仕方がないだろう?入れてくれよ」

「無理だ」


キオナが人間界に来た日の夜、8時頃。ジャックが再び春稀の家に訪れた。


「さっさと向こうに帰りやがれ」

「だから、言っただろう。ラミが報告ミスを…」

「知るかよ。俺に頼るな」

「キミは僕の親友じゃなかったのかい」

「んな事ァ知らねぇな」

「…入れてくれないと、春稀君、盗るよ」

「脅しか。入れてやっても盗るだろ」

「さあね、それは気分次第だ」


ジャックは不気味に微笑んだ。