「いや、何でも…」

「嘘。何か隠してる」

「隠してねぇよ。なあ?」

「…ああ」

「絶対、何か隠してる!

「何でもねぇって。いつか、話すから」

「本当に?」

「ああ」

「絶対だよ?」

「はいはい」

「あのー…。すみません」


春稀と由佳が話していると、一人の女性が3人に話しかけた。


「この高校に行きたいんですが、場所が分からなくて…。どうやって行けばいいですか?」


少しカールのかかったミディアムロングの茶髪に小さな顔。

モデルのように長い手足。

黒のスーツを身にまとったその女性は、一枚の紙を差し出しながら言った。