「あっ、ちょっとー!本当、男のくせに甘党なんだね」

「甘党に男もクソも関係ねぇよ」


春稀は、早速ラッピングを開け、中のチョコを頬張りながら言った。

「何か言う事はー?」

「…ちょい、中のオレンジソースの酸味がキツすぎる」

「なるほどー…。お父さんに言っとくねって、ちょい待てーい!」

「何だよ」

「お礼は?」

「また、よろしく。って親父さんに言っといて」


春稀はそう言うと由佳を置いて、先に歩き出した。