「なんっであんなに恥ずかしい事、平気で言えるかな…」


由佳が頬を膨らましながら歩く。


「正論なんだから、仕方ねぇじゃん」

「っ…」


二人の家はいうほど遠くはない。歩いて3分ほどだ。


「あ、いいよ、ここまでで。暗いし、あまり遠くに来たら、由佳が危ないから」

「うっ、うん…」

「何だ?どうした?」


急に、由佳がそわそわしだし、不審に思った春稀は問い掛けた。


「……れぜんと」

「え?」

「誕生日っ、プレゼント…、あるの」

「プレゼントって、朝のチョコ…」

「ばっ、馬鹿!あんなのがプレゼントな訳無いでしょ!」

「由佳より馬鹿ではない」

「っ…!…手、出してっ」

「ん」


春稀は言われた通りに右手を差し出した。