確かに、春稀はいつも冷静で、学力は学年4位のレベルだが、由佳はその真逆。おっちょこちょいで学力は中の下だ。


「おっちょこちょいで、頭悪くて悪かったですねー」


由佳が膨れっ面で、二人を見た。


「おっちょこちょいな所は、それはそれで可愛いし、頭が悪い所は、教えられるから大丈夫です。俺は由佳で十分です」


言った途端、由佳の顔が真っ赤になった。


「そう。ならよかった」

「ああ、あたしっ、春稀送ってくる!春稀、行こっ!!」


由佳が春稀の腕を掴んで、歩き始めた。


「ありがとうございましたっ、痛いって…」


春稀は最後に裕美に礼を言うと、由佳の隣で、腕を摩りながら歩いた。