「いつまでもそんな所で寝てるか らでしょ。」 そう冷たく言い放ったのは、真紀 子。 手には身代金の入った紙袋を持っ ていた。 「あ…それ!ってか犬は!?」 辺りを見渡すも、犬の姿はどこに もなかった。 「私が追い払ったわよ。 それより、早く家に戻りましょ。 寒くてしょうがないわ。」 まだ座り込んでいる茂男をよそに 、さっさと歩いて行く。 「ま…待ってくれよ!」 慌てて後を追いかけ、一体何があ ったのかと尋ねた。