「お…おい… ちょっ…待っ…待ってくれ〜!」 茂男は走った。 走って走って…追い越し追い越さ れながら、必死で犬を追いかける 。 いい加減ばててきた頃、犬が狭い 路地へと曲がって行くのを見た。 しめしめ… 確かそっちは行き止まりだった筈 。 茂男も同様に路地へと入って行く と、案の定、高い塀に囲まれ立ち 往生している犬に出くわす。 「もう逃がさないぞ! その紙袋をよこせ!!」 だが、犬が簡単に食料を渡すわけ もなく…… 茂男と犬の一騎打ちが始まった。