「やきにく!」
「は?」
「焼肉奢るで!」
「は?」
「16,000円手に入ったら、俺、二人に焼肉奢る」
呈示されたメリットはさらにしょうもないものだった。開いた口が塞がらない。
「な?」と翔平は付け足す。晴人も私と同じく、黙り込んだまま固まってしまった。
「焼肉が嫌やったら、なんや、なんでもええ、一人5,000円くらいで選んでくれ」
そんな猛プッシュに隣で晴人が笑った。
「なんでそんなに必死なんや」
翔平は手と手を合わせお願いの姿勢を取って、また少し小声になった。
「一人5,000円奢ってもプラスやからや」
まるで、どうか、なんとか、とひれ伏してるようで、私がかつて淡い恋心を抱いていた男がすごくカッコ悪いことになってる。最悪。
「寿司」
隣で晴人が口を開いてそう言った。
「寿司やな」
そう言う口に笑みを浮かべてる。
「3人で美味い寿司食おうや」
なぜか晴人も珍しく前屈みで目を細め、小声になっていた。
「いいよな?」
晴人は私を見てきた。
「は?」
「焼肉奢るで!」
「は?」
「16,000円手に入ったら、俺、二人に焼肉奢る」
呈示されたメリットはさらにしょうもないものだった。開いた口が塞がらない。
「な?」と翔平は付け足す。晴人も私と同じく、黙り込んだまま固まってしまった。
「焼肉が嫌やったら、なんや、なんでもええ、一人5,000円くらいで選んでくれ」
そんな猛プッシュに隣で晴人が笑った。
「なんでそんなに必死なんや」
翔平は手と手を合わせお願いの姿勢を取って、また少し小声になった。
「一人5,000円奢ってもプラスやからや」
まるで、どうか、なんとか、とひれ伏してるようで、私がかつて淡い恋心を抱いていた男がすごくカッコ悪いことになってる。最悪。
「寿司」
隣で晴人が口を開いてそう言った。
「寿司やな」
そう言う口に笑みを浮かべてる。
「3人で美味い寿司食おうや」
なぜか晴人も珍しく前屈みで目を細め、小声になっていた。
「いいよな?」
晴人は私を見てきた。



