だいすきボーイフレンド

前髪を手で抑えながら思考を整理して落ち着かせる。

「だってさ、てっしー言う通りやん。晴人と翔平やで、めっちゃいい二人やん」

誇らしい口調になった。

「あの二人、ほんといい奴らやねんて。あんな友達はもう絶対できひん」

そう言いながら、笑ってるのに泣きそうになる。

ほんま馬鹿。

こんなに大好きだったことに気付く。

「だいすき」

そう言って涙が溢れてきたのをえりこが見逃さず、即座にそこらへんにあったウェットタオルを3枚くらい渡してきた。
私は大粒の涙を流しながらその袋を破り開ける。

「なんかあったんやな」

えりこが目を見開いて呟く。
なつみが隣から私の頭を撫でてきてくれた。

「最高の二人やったからさ」

タオルで目を抑えながら言うと、えりこが「過去形やん」と即座に突っ込んできた。

もう二度と戻らない大好きな人たちに、私はきっとこれからも泣く。

こうして思い出しながら、ずっとずっと二人の大切な友達のことを大好きだと思い続けるんだろう。

短かった夏が終わる。

ありがとう、だいすきなボーイフレンドたち。