ビールが運ばれてくると、適当に乾杯を済ませた。テーブルの中央で3つのグラスがカツンとぶつかり合う。
「あんな、あのー、俺な、今日、あの、晴人と涼香にな、会ったら絶対に言わなあかんことがあんねん」
翔平は開口一番そう言った。
「なんなん」
「恐ろしいんやけど」
「普通サプライズならそういう前置きしないで」
晴人と私はソファー席で姿勢を崩しながら言う。
丁寧にワイシャツの袖をくるっくるっと定規のように統一の幅でまくってる翔平とは対照的に、ただ2回ほど袖口を捲るとあとは肘の上まで寄せ上げてるだけの晴人。
前髪を上げ、耳の上を刈り上げ、爽やかな営業面してる翔平と、前髪が目にかかりそうで常に鬱陶しそうにいじる晴人。
前屈みで話し続ける翔平と、ソファーにすっかり背もたれてる晴人。
二人はいつも対照的だ。
「ちゃう」と翔平は首を横に振った。
「サプライズちゃうんや、お願いがあって今日はここに来てん」
「お願いって、俺いくら翔平でも金は出さんし宗教にも入らんし壺とか買わへんからな」
「だーいじょうぶやって、そんなんちゃうよ」
晴人と私はお互いに目を合わせる。
「別に今日ってただ、東京へようこそな会やんな」
「そやで」
お互い認識を擦り合わせるように、お通しとすぐに運ばれてきた冷やしトマトをつまみながら言う。
店内は簡易個室がメインの作りとなっていて、木が格子状に組まれてる引き戸を店員が開けなければ基本的に三人だけの空間だ。
「あんな、あのー、俺な、今日、あの、晴人と涼香にな、会ったら絶対に言わなあかんことがあんねん」
翔平は開口一番そう言った。
「なんなん」
「恐ろしいんやけど」
「普通サプライズならそういう前置きしないで」
晴人と私はソファー席で姿勢を崩しながら言う。
丁寧にワイシャツの袖をくるっくるっと定規のように統一の幅でまくってる翔平とは対照的に、ただ2回ほど袖口を捲るとあとは肘の上まで寄せ上げてるだけの晴人。
前髪を上げ、耳の上を刈り上げ、爽やかな営業面してる翔平と、前髪が目にかかりそうで常に鬱陶しそうにいじる晴人。
前屈みで話し続ける翔平と、ソファーにすっかり背もたれてる晴人。
二人はいつも対照的だ。
「ちゃう」と翔平は首を横に振った。
「サプライズちゃうんや、お願いがあって今日はここに来てん」
「お願いって、俺いくら翔平でも金は出さんし宗教にも入らんし壺とか買わへんからな」
「だーいじょうぶやって、そんなんちゃうよ」
晴人と私はお互いに目を合わせる。
「別に今日ってただ、東京へようこそな会やんな」
「そやで」
お互い認識を擦り合わせるように、お通しとすぐに運ばれてきた冷やしトマトをつまみながら言う。
店内は簡易個室がメインの作りとなっていて、木が格子状に組まれてる引き戸を店員が開けなければ基本的に三人だけの空間だ。



