だいすきボーイフレンド

晴人はまた顔を近付けてきた。

「なんなん、サルみたいやで」
「うん」

優しく手をベッドの方に引っ張ってきた。

「なあ」とまでは言ったものの、次の「本気でやるん?」がつっかえて出てこない。

嫌いじゃないし、人としては好きだけど。

晴人がゆっくりと私の手を自分の方に引くから、私は晴人の体に被さる。

細い骨と筋肉のような体に、私の鍛えてないゆるい体がぶつかる。

「ほそ。体重何キロなん」
「58くらい、分からん最近測ってないわ」
「私とそんなに変わらんやん」

晴人は興味なさげに「うん」とだけ言って私の髪を撫でる。
テロテロとした晴人の肌着のせいで滑る。

好きじゃないのに、キスをするのはなんなんだろう。

まだ太陽が沈む前。
晴人にとってはまだ昼時。

「カーテンくらい閉めようや」
「そやな」

晴人はぶらりと立ち上がって白いカーテンを両手で閉めると、ベッドに倒れるように戻ってきた。

そのついでにおでこにキスをしてきた。少しの体温と晴人の匂いがその胸元から伝わってくる。

晴人が鼻で私の首筋をなぞりながら匂いを嗅いでいく。くすぐったい。

そのまま私の下半身の方へと進んでいった。

なんでこんなに恥ずかしいんやろう。

「なあ、めっちゃ恥ずかしい」

そう言う私に、晴人はただ「大丈夫大丈夫」と頭をポンポンしただけだった。

そのままセックスしたけど、高校時代から知ってるはずなのに初めて見せる顔ばかりで、めっちゃ恥ずかしかった。