きみと出逢ったのは1950年、窓の外が辺り一面雪景色の日付けがもうすぐ変わるくらいの病院の静まり返った廊下だった。僕は、母が倒れたと知らせが来て慌ててやってきた。担当の先生いわく疲労だそうだ。話を聞いたあと廊下のベンチに腰掛けていた。「こんな遅くに人がいるなんて珍しいね」突然声をかけてきたのは15~18歳くらいの女の子。鎖骨くらいで綺麗に切りそろえられた黒髪、陶器のような白い肌、恐らく入院服であろう服からは細くあざのない手足が出ていた。
「私の名前はあやあなたは?」
「...優太」
「じゃあ優太、明日この時間にまた来てねじゃあね」
話しかけてきた彼女...あやはいつの間にかいなくなっていた。僕はまたここに来なければ行けないんだろうか。特に予定は無いがわざわざこんな時間に病院に来るのは少し抵抗がある。だが言われてしまったものはしょうがない。僕はこの時間にまた来る事にした