あの頃、私には彼氏がいました。

 カレは中学の2個上先輩で部活が同じ。







 ムードメーカーで優しかった先輩と付き合ったのは中1の夏休みが明けてすぐのこと。





 先輩が受験生だったこともあって、ちゃんとしたデートは一度もしたことはありませんでした。


 先輩は「受検がなければここ行きたかった〜」とか言って、よく空想の話で私を楽しませてくれてました。





 それでも、時間が合う部活が休みの水曜日は、遠回りをしてくれて一緒に帰ったし、昼休みは校庭に出て一緒に遊んでくれたよね。


 私が図書委員の当番で校庭に行けない日は、勉強道具を持ってきて私の仕事している姿を眺めてたりしてたね。


 時々図書室でうるさくして、私が何度も注意しに行ったのをよく覚えています。


 ああ、本棚の整理をするために席の後ろを通った時、とうせんぼされたっけ。






 付き合って三ヶ月経つと、学校の先生達の公認カップルになってました。


 先輩がいない時、先生たちに先輩のこと質問されて困っていたこともありました。知らないでしょう。






 受検の時期に本格的に入って、先輩は部活を続けるためにその部活が強い私立に進学を決めました。