声が河野先輩のように感じた。

バレないようにチラッと見ると、屋上の扉の前で河野先輩と同じバスケ部の先輩ら合わせて3人であることが分かった。

「そういえば、海斗。最近、2年の後輩ちゃんと結構連絡取ってるんだろ?」

1人の先輩が言った。

『海斗』は河野先輩の下の名前。河野海斗(こうのかいと)。

2年の後輩ちゃんは恐らく、春のことだろう。

「あー、アイツね。」

アイツ……?

だるそうに答えた河野先輩。

「何?また女?」

もう1人の先輩が呆れながら言った。

また……?

「遊んでるだけだよ。ちょっと声かけて、LINE交換して、インスタも繋がって、毎日電話してあげたら、浮かれてる。見てて面白れぇ女だよ。マジで、飽きない。面白すぎるから。お前らにも紹介しよっか?」

笑いながらペラペラと話す河野先輩。