ワカナとの淫靡な夜を想像すると、自然に口元がゆるんでしまう。


私は妄想を一時中断し、昂る神経を落ち着かせることに努めた。


計画を成就するためには、断じて冷静さを失ってはならないのだ。



そう、私のような異端者が鳴りを潜めて暮らしていくには、処世術を身に付けなければならない。


内に秘める肉食獣めいた凶暴性をいかに抑制できるかが生命線となる。


そのコントロールを誤った時、私のような男が社会から駆逐されるのは自明の理だ。



私がそんなへまをすることはない。


そこら辺にいる間抜けとはわけが違うのだ。