年下彼氏の結婚指導

「……ごめん、俺、多分誰かを好きになったのがそもそも初めてで……重いかも……」
「ううん……だって、私も初めてだよ?」
 そう言えば翔悟は目を丸くした。
「今迄好きになった人には幸せになって欲しいって思ってた。けど、翔悟とは、一緒に幸せになりたいって思うから……」
 そう告白すれば翔悟が目を見張った後、蕩けるような笑みを浮かべた。
 そんな眩しい笑顔に少しだけ華子の気持ちが軽くなる。
(だから絶対、彼のご両親に認められたい)
 そう意気込みを新たにしていると、久斗が門を引いて恭しく頭を下げた。
「ようこそ廉堂家へ」
 そっと指先を絡ませて。
 華子は翔悟との一歩を踏み出した。